どうして声は枯れるの?

 

声が枯れとは、声帯の振動部にタコのようなものができ、声帯が閉じても隙間ができてしまうことで発声時に空気が漏れている状態です。声帯ポリープはスポーツ観戦など一時的に大声を出した時になることもありますが、声帯結節は日常的に声を酷使することが原因で発症します。

 

声帯結節とは。

「声帯は空気の通り道である気管の入り口に、左右にひだ状に位置しています。空気の行き来で声帯を動かし、声を形成します。左右の声帯がこすれあうことで摩擦が生じます。この摩擦刺激を繰り返すと粘膜が厚く硬くなり、浮腫(ふしゅ)状に腫れたり線維化が起こったりすることで声帯結節が発症します」

「メディカルノート」より

 


 

【声帯結節】

発声時に振動の最も大きい声帯の前1/3の部位に,多くの場合両側性に生ずる小さい結節様の隆起を一般に声帯結節という。別名,謡人結節あるいは歌手結節などといわれるように,声を過度に使う職業の者によくみられる。表面の色調は周囲の正常粘膜のものとほとんど変わらないことが多く,通常は声帯ポリープとは肉眼所見からも区別される。また,幼児あるいは学童で声を乱用する場合にもみられ,これらは学童嗄声(させい)あるいは小児結節と総称されることがある。

(出典:株式会社平凡社 世界大百科事典 第2版)

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声が枯れたら、発声を控え、声帯の安静を図りましょう。しかし声の出し方に原因がある場合、発声の仕方を改善しなければ声枯れは繰り返されてしまいます。

 

Aさん(20代女性)の場合

音楽スクールに勤務し、受付とボーカル講師業を兼任。

出社してその日のスクール業が終了するまでの間、来客や電話の対応と講師業を兼任しているため「話す、歌う」を続けて一日中声を使う日々。多いときには一日12時間以上声を使っていることも。

 このような状況を数年続けていく中で、「声枯れ→回復→声枯れ」を繰り返し、次第に声枯れがひどくなり、声を休めても回復が見られなくなったため、耳鼻咽喉科を受診。「声帯結節」と診断され、長年にわたり声枯れを繰り返した結果、回復の見込みがないため手術をすることに。術後は音声治療を行い、声を使う頻度を減らし、再発なし。

 

Hさん(20代女性)の場合

ダンスのインストラクター。レッスン中は大きな声を出して雰囲気を盛り上げたり、生徒さんを励ましたりしていて、常に声を張っている状態。身体を動かしているため疲労感も高い。継続して声を出し続ける必要があり、声を休めることができず声帯結節に。耳鼻咽喉科を受診し声を使わないように勧められるが、職業を変えることは難しいため、回復が難しい状況に。

 

Mさん(30代女性)の場合

高校の教師。睡眠不足の日が続き疲労感がある中、次第に声が枯れ始め受診。声帯結節と診断され、吸入と投薬治療を開始。発声を控えるよう指示されたが職業的に声を休めることは難しく回復が進まないため、ボイストレーニングに通い発声の改良を試みたところ、声帯結節が改善され以前の声に回復。運動を取り入れたことで日ごろからの肩こりも減り、以前よりも身体も健康的に。

 

 

《声が枯れやすい職業や環境》

ボーカリスト、アナウンサー、教師、保育士、政治家、カラオケ、スポーツ系の部活、

スポーツインストラクター、騒音の中での会話、飲酒、喫煙、睡眠不足 乾燥

 

声帯結節や声帯ポリープは日ごろの発声環境と発声方法によって発症します。一時的に声を休めて回復しても

再発の可能性が高いため、声を使う頻度を減らせない場合は発声方法の改善が再発の予防になります。

 

ボイストレーニングで枯れない声づくりをしましょう!

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